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しなやかに、たくましく生きるためのトレーニング ~失敗してもいい居酒屋の話~

 鴻巣市では、「子どもの居場所コーディネーター」(市役所こども未来部こども応援課所属)という職員がいます。定期的に来校され、鴻巣市の子どもの居場所支援事業についての情報や資料を提供いただいています。先月、いただいた資料の以下の文章が目にとまり、読み入ってしまいました。(以下、引用文)


 山形県米沢市で会員制の居酒屋「結」を切り盛りしている白石祥和さんの本業は、不登校の子どもたちが学ぶフリースクールを運営するNPO法人の代表だ。仕込みが始まる午後4時ごろになると店の「おやじ」の顔になる。「笑顔で明るく失敗してもいい」これが就労をめざす若者のトレーニングの場である店の基本スタンスだ。
 白石さん自身、「失敗」や「まわり道」の連続だった。山形大学を卒業後、地元の消防士の採用試験に2年続けて落ちた。日雇いのトンネル工事、塾の講師、北海道の牧場で働いた経験の後、米沢市内の小学校の特別支援学級の支援員として働いたことが転機となった。こどもたちが笑顔になれる場所がもっと必要だと感じ、2007年にフリースクールを作った。その後、卒業生や引きこもりの若者から相談が寄せられるようになり、地域のサポートステーションを開設して、就労支援を始めた。
 しかし、コミュニケーションの取り方の講習、職場体験プログラムに参加しても、就労につながらなかったり、孤立して引きこもったりする若者の姿も見てきた。そこで、地域の人に応援してもらい『失敗してもいい場所を作ろう』と趣旨を理解してくれる客による会員制で、安心してトレーニングできる居酒屋を開店させた。店の名前は『結』。地域の人や企業からの寄付が土台のこの店は、「挑戦する若者と地域の人たちが結びついてほしい」との願いが込められ、店のスタッフとしてお客さんを相手に人間関係をトレーニングする。白石さんは、「どんな若者にも挑戦できる場と認めてくれる人が必要だ」という思いで店を続けている。(R5.5.1読売新聞掲載)

 

 学校も、児童が社会にでるためのトレーニングをしている場と考えると、白石さんの取組に学ぶべきところが多いと思いました。「笑顔で明るく失敗していい」。このことを基本にすることが、児童がしなやかに、たくましく成長することにつながる。という思いをもちました。この夏休みには、米沢に足を運び、臨時会員となって「結」にお邪魔したいとも思いました。