校長室より

 

 

No.16(R5.5.1)

しなやかに、たくましくバスケに取り組む6年生

 今年も、ツバメが飛来する季節になりました。先週、学校の芝生の上をつがいのツバメが低空飛行し、えさとなる虫を捕まえようとする様子を見かけました。田んぼでは、苗を育てる苗床に水が引かれ、田植えの準備が始まりました。この光景が、長い年月続いていることに、自然の偉大さを感じます。
 5月を迎えました。1年生もだいぶ学校生活に慣れ、登下校時の足取りもしっかりしてきました。3名の交通指導員さんや自主防犯パトロールの方々、スクールガードリーダーさん、そして、保護者の皆様の朝の立哨当番や1年生の保護者様のお迎えと、多くの方のご協力のおかげで、安全に登下校ができております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、現在6年生は、5月12日に行われる市内球技大会(川里地区)に向けて、練習に励んでいます。教室でも、体育館でも、毎日バスケのことを考え、体を動かしています。私も練習の様子を見ていますが、運動が得意な子も苦手な子も、ボールに集中して、パスをつないでシュートを決めようとしています。相手ボールになったときは、果敢にプレッシャーをかけ、ミスを誘ったり、パスカットをしたりしています。何よりも、試合中の仲間への掛け声が、大変気持ちよいです。失敗をしてもめげずに、向かっていく力を沸き立たせてくれます。
 練習が本格的に始まり、2週間が経ちましたが、6年生の気持ちの高まりとまとまりが、日々の姿に表れています。大会までの練習日数も残りわずかですが、さらに、チームをよい雰囲気にして、当日を迎えてほしいと思います。
 1年生から5年生も、新しい担任の先生の指導のもと、昨年度までとは、違う顔をそれぞれ見せています。当たり前のことですが、児童の内面は、昨年度と同じではありませんので、成長に合わせて、声がけや対応の仕方を変える必要があります。児童の自立・自律をレベルアップさせるために、今まさに、各担任が、その「さじかげん」をしているところです。4月のお子様の様子で、気がかりなことがございましたら早めに、いつでも、学校へお知らせください。

No.15(R5.4.13)

しなやかに、たくましく生きる「くすっ子」の育成をめざして
~自立・自律と連帯、そしてRenew(取り戻し・再新)~

 例年より、春が早く進み、草木の新緑が私たちに活力を与えてくれています。
 令和5年度がスタートしました。お子様のご入学・ご進級、誠におめでとうございます。新学期を迎え、どの子も期待に胸を膨らませていることでしょう。「よし、やるぞ。がんばろう。」という今の子どもたちの気持ちを大事にして、4月をスタートしたいと思っております。また、私自身、3年目となりますが、気持ちを新たにして尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、今年度の学校経営構想(グランドデザイン)をご覧ください。今年度は、アフターコロナ1年目となることを見据え、学校教育目標や学校経営方針をブラッシュアップしました。特に、Renew(取り戻し・再新)ということを本校職員が意識して教育活動を展開し、しなやかに、たくましく生きる「くすっ子」の育成をめざすことを中心柱としております。
 その一方で、「職員こそが、子どもたちにとって最大の教育環境」となることから、本校職員の元気でいきいきとした姿が、最終的に子どもたちのためになると捉え、職員の働き方改革にも保護者の皆様や地域の皆様のご理解を賜りながら、進めてまいりたいと思っております。その一環として、留守番電話設定時間の変更(拡大)や学校閉庁日の増設、学校行事の変更等をさせていただいております。
 今年度も、皆様のお力添えをいただきながら、屈巣小職員一同、がんばります。

R5_グランドデザイン.pdf

 

No.14(R5.3.26) ふみよむ窓をいざ開け

 本日、無事、令和4年度修了式を終えることができました。これも、保護者の皆様の今年度の本校教育活動への温かいご理解とご支援のおかげでございます。本当にありがとうございました。ここに謹んで、御礼申し上げます。来年度も、屈巣小学校をどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、本日の修了式では、本校の校歌に込められている内容を子どもたちに話しました。3月22日の卒業式では、6年生が大変すばらしい歌声で、すがすがしく歌って巣立っていきました。卒業生の歌声を聴き、くすっ子の心そして、屈巣地区を一つにする大変すばらしい校歌だと改めて思いました。以下、私の解釈を入れながら、改めて歌詞をご紹介します。

作詞者の意図を直接確認することができませんので、私の思いになっている可能性があることをご了承ください。

 

屈巣小学校校歌

1963年につくられました。屈巣地区と大変縁の深い、川辺夏生先生が作詞、間中志津代先生が作曲されました。お二人とも学校の先生でした。

1番

みのりゆたかな 川里の 屈巣に育った わたしらぼくら
(農作物がよく育ち、人々が豊かにくらしている川里の 屈巣に育った私たち、ぼくたちは)
すなおなよい子 あかるい子   
(素直なよい子で、明るい子)    
仰ぐ平和と 文化の光  手と手むすんで いざや 立て
(平和とくらしが発展し、豊かになること大切にして 私たちは協力して がんばろう)


2番

めぐる春秋 六年を まなびひとすじ わたしらぼくら
(6年間の季節のくりかえし=小学校生活6年間を 一生懸命に学ぶ私たち、ぼくたち)
根づよい意志を 伸ばすのだ 
(植物の根がしっかり張ったように強い気持ちをパワーアップするぞ)
秩父おろしに きたえたからだ 
(秩父の山から吹き下ろす、冬の冷たい季節風に負けないで 鍛えた体が自分たちにはある)
胸をはって いざ進め
(だから、自信をもって、堂々と前に進もう よし行けるぞ)


3番

きょうもあらたな 日がのぼる  清らなひとみ わたしらぼくら
(今日も、新しい一日がはじまる 朝日を受けて瞳が美しく澄んでいる私たち、ぼくたち)
あすの世界が 待ってるぞ    
(未来の世界・社会が、自分たちを待っているぞ)
夢はなないろ かがやく希望
(私たちの夢は、虹の色のようにたくさんあるし 光かがやく希望であふれている)
ふみよむ窓を いざ開け
(屈巣小学校で学んだことを生かして、社会・世の中で活躍しよう)

 作詞の川辺先生の意に反している私の解釈は、失礼に値することかもしれません。しかしながら、約60年前につくられた校歌は、令和の時代でも、その輝きは色あせていないと思います。小学生が歌いやすいリズミカルな曲と、元気と勇気が湧いてわいてくる言葉遣いの校歌です。その校歌を本日、久しぶりにみんなで歌い、気持ちを一つにして、令和4年度をしめくくることができました。
 しばらく、学校で子どもたちの声が聴けなくなり、寂しいですが、新しい学年に向けての準備をどうぞよろしくお願いいたします。令和5年4月10日、元気なくすっ子たちに、お会いできることを楽しみにしています。

 

No.13(R5.3.2)     3.11 あの日から12年

 先週から学校の駐車場の白梅が咲き始め、今週には、椿のピンク色も目立つようになりました。最高気温が15度以上の日が多くなり、春の到来を感じるようになりました。6年生は、あと13日間、5年生以下は、あと14日間の登校日数となりました。残り少ない期間ですが、子どもたちが、今の学年で身に付けることを「修了」させ、4月を迎えることができるように職員一同、がんばってまいります。
 さて、もうすぐ、「3.11・東日本大震災」の日となります。あの日から12年が過ぎましたが、あの日の私自身に起きたこと。その後テレビに映る被災地の様子、長引く避難所生活、最愛の人を亡くした方や故郷を離れなければならなくなった方々の表情や言葉、そしていわれもない差別や偏見、誹謗中傷、風評被害等々。あの日以降の出来事を未だによく覚えています。特に、宮城県内の学校で被災し、多くの児童生徒を失った2名の先生のお話を震災半年後に伺ったことや、震災2年目、4年目と宮城県の太平洋側の被災地に訪れたときに私が見たことや感じたことは、生涯忘れられないものとなっています。(下の写真は私が撮影しました。)

 津波で壁が抜けた小学校の体育館(宮城県石巻市)

 

 津波で屋根がつぶれたガソリンスタンド(仙台市)

 

津波で転がってしまった建物 (宮城県女川町) 

 あの日から12年。6年生は、まさに、あの日の前後(同じ年度)に生まれました。5年生以下は、その後の復興が進む中で生まれた世代です。当然のことながら、あの日のことを知りません。しかしながら、保護者様をはじめ、ご家族の皆様には「それぞれのあの日」があったのではないでしょうか。ぜひ、「それぞれのあの日」を子どもたちに伝えていただき、子どもたちの、「この先を生きる力」の一つとなれば・・。と12回目の3.11を前に思っております。

 

No.12(R5.2.1) 学校給食週間から考えたこと

 写真は、先月1月24日の本校の給食の献立です。この献立は、学校給食週間にちなんだ献立です。これは、日本で初めて学校で給食が提供されたときの内容を現代風に再現したものです。
明治22年に、山形県鶴岡町(現鶴岡市)の私立忠愛小学校で貧困児童を対象に無料で学校給食を実施したのが、日本の給食のルーツといわれています。その当時の献立が、「塩おにぎり・焼き鮭・漬物」だったということから、1月24日の献立が、写真のような内容になっています。数年前は、ご飯を児童がおにぎりにして食べていましたが、コロナ禍となり、ここ数年は見合わせているとのことです。
 明治・大正・昭和と時代が進む中で、形の違いはありながら、学校給食は行われていましたが、昭和初期、戦争の影響を受けて学校給食は中断されました。そして、戦後の食糧難による児童の栄養状態の悪化を背景に学校給食の再開を求める国民の声が高まるようになり、昭和22年1月から学校給食が再開されました。同年12月24日には、東京都内の小学校で給食が再開され、この日を学校給食感謝の日と定めました。昭和25年度から、学校給食による教育効果を促進する観点から、冬季休業と重ならない1月24日から1月30日までの1週間を「学校給食週間」とし、今に至っているとのことです。(文部科学省HP・全国学校給食推進連合会HP参照)
 この日、私(校長)は、給食室におじゃまをして、どのように給食が作られているのか、給食調理員さんのお仕事ぶりを取材させていただきました。(調理員さんの指導を受けて、衛生面に十分配慮して給食室へ入りました。)そして、お仕事ぶりの詳しい様子を2月1日(水)の全校講話で児童に伝えました。以下、そのときのスライドの一部です。(左から、野菜洗い・魚の検品・シイタケの点検・食器洗い)

 安心安全な給食を提供するために、想像以上に何度も食材の点検をしていること、消毒など衛生管理や安全管理を徹底していること、作業のほとんどが手作業であること、その上で、よりおいしくなるように調味料の使い方や火加減など作業に工夫を凝らしていることなど、調理員さんの給食に対する「プロ意識と児童への愛情」を肌身で感じることができました。毎日、当たり前のようにいただいている給食の裏側で、見えない努力があることを忘れてはいけませんね。

 

NO.11(R5.1.10) 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 新年、明けましておめでとうございます。
 2023年(令和5年)を迎え、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。今年が皆様にとって幸多い年となりますことをお祈りしております。また、旧年中は、本校の教育活動、とりわけ、新型コロナウイルス感染症予防のための対応に、ご理解とご協力を賜りましたこと心より御礼申し上げます。
 さて、今年は「卯(うさぎ)」年ですが、「十干十二支」でいうと、「癸(みずのと)卯(う)」の年です。「癸(みずのと)」は十干の10番目(最後)であり、生命の終わりを意味するととも に、次の新たな生命が成長し始めている状態を表しているそうです。また「卯(う)」は十二支の4番目で、草木が萌え出る春の訪れを感じるときといわれています。この二つを合わせた「癸卯」の年は、「厳しい冬が去り 春の兆しが訪れる」、「これまでの努力が実り、芽吹き始める」年と捉えることができると思います。
 これまでのコロナ禍において、その時その時を精一杯頑張ってきた子どもたちが、より一層、生き生きと活躍する2023年「癸卯の年」となるよう、本校職員一同、気持ちを新たにして教育活動を展開してまいります。
 保護者の皆様・地域の皆様のご理解とご協力を今年もどうぞよろしくお願いいたします

 

No.10(R4.12.23)  今年も屈巣小サンタがやってきた

 今日の終業式後に、昨年の終業式の日は、サンタクロースに扮して下校する子どもたちに声をかけていたことを思い出し、慌てて衣装を探して試着したところ、ウエストがきつくなったことを実感してしまいました。それでも、下校時刻前からスタンバイをして、教頭先生が扮するサンタと一緒に正門で子どもたちを待ち構えました。
 子どもたちの反応は、「サンタさんだ!!」と走って近づいてくる子や「誰だ?」と警戒しながら近づいてくる子など、三者三様でしたが、どの子も最後は笑顔で「さようなら」と言って通り過ぎて行く様子から、学校の職員であることの幸せを感じ、正に教師冥利に尽きると思える出来事となりました。
 振り返ると様々なことがあった2学期でしたが、保護者の皆様のご理解とご協力のおかげで、無事最終日を終えることができましたことに、心より感謝申し上げます。また、学校をバックアップしてくださったPTA活動や地域の皆様のご厚情にも、御礼申し上げます。特に、児童の安全確保のために、朝のお忙しい中、地域ぐるみで通学路の4つの横断場所に立っていただいていることには、感謝の気持ちでいっぱいです。3学期もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、明日から冬休みとなります。子どもたちには、ぜひ、身心ともに健康で元気に生活してほしいと願っております。そのためにも、自転車の乗り方をはじめとする交通安全・お年玉等のお金の使い方・タブレット、スマホ、オンラインゲームの扱い方などについて、保護者の皆様には、改めてその見届けをお願いいたします。また、新型コロナやインフルエンザが、再び広まりつつありますので、引き続き、感染症予防対策をとりながら、楽しい時間をすごしていただければと思っております。
 3学期は、令和5年1月10日から始まります。それまで、しばらくの間は、学校も寂しくなりますが、始業式の日に再び、元気で明るい「くすっ子たち」に会えることを楽しみにしております。
 それでは、皆様、よいお年をお迎えください。

 

No.9(R4.12.1)

くすっ子の未来を想う~ロールモデル・キャリアモデルとの出会い~

 11月8日に全校児童で植えたパンジーやビオラの花や葉が増えて元気に育っています。
 11月は、学校(学年)行事が多くあり、子ども達にとっての行事の意義を改めて感じ、その必要性を再認識しました。その中でも、おやじの会主催の「秋祭り」やクレアこうのすでの音楽会(5・6年生が出場)、2年生の町たんけん(お店の見学)や4年生の福祉ボランティア体験、3年生がお世話になった県央広域消防本部の見学では、くすっ子のロールモデル(※1)または、キャリアモデル(※2)となり得る方々との出会いがありました。貴重な機会としていただいたことに、深く感謝申し上げます。
※1ロールモデルとは、自分にとって具体的な行動や考え方の模範となる人物のこと。
※2キャリアモデルとは、あこがれの先輩モデル。伝記に載るような偉人もあれば、身近な父母・親戚・地域のOBOG・学校や職場の先輩など。


具体的には、次の方々です。
〇秋祭りでの、キャンプファイヤーや花火・きもだめしの会場づくりをしたり、射的や水風船釣りなど、遊びの場を運営したりしてくださった屈巣小のOB・OGや保護者の方
〇5・6年生が出場したクレアでの音楽会での、同じ会に発表した中学生
〇町たんけんでの、2年生の子ども達にお仕事のお話をしてくださったお店の方々
〇福祉ボランティア体験での、盲導犬や盲導犬利用者のことや聴覚に障がいがある方や手話の理解促進のために活動している方々、点字本などの点訳活動をされている方々(各ボランティアの方々)
〇県央広域消防本部で、3年生にお仕事のお話をしてくださったり、校歌を歌ってくださったりした屈巣小卒業生の隊員の方
 
 目的は別にありましたが、そこで出会った方々の「人となり」(生まれつきの人柄・備わっている性質や言動)が、無意識のうちに児童にとってのモデルとなり、もしかすると、児童の中に「自分も屈巣小の祭りを盛り上げたい」とか、「自分も点字や手話ができるようになって、手助けがしたい」とか、「自分もああいう仕事がしたい」と児童が思い、それをめざす努力を始める可能性をどの機会も秘めたものでした。このように、行事等における学校外の様々な方との出会いは、くすっ子の未来を形成する可能性があり、とても価値あることと再認識できました。
 
 私にもロールモデルとなる人がいて、今の自分が成り立っていると思っています。その方は、「姿が姿をつくる。自らあるべき姿を示せ。」と時々、口にされていました。しかしながら、今の自分は果たして誰かのロールモデルとなれているのだろうかと自問自答しています。先に生まれた者として、よきロールモデルとなれるよう日々研鑽しなければいけない、という思いをもって12月を迎えました。

 

No.8(R4.11.2)

修学旅行の恩送り

 稲刈り後の野焼きのにおいに、晩秋の気配を感じる時季となりました。

 今週の月曜日・火曜日は、6年生の修学旅行でした。天候にも恵まれ、小学校最大の思い出を6年生の児童は、つくることができました。

 10月31日(月)、朝6時50分に学校を出発。圏央道を南下し、鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮へ。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の効果なのか、月曜日にもかかわらず一般の方の参拝が、多く感じました。その後、鎌倉の大仏見学・江ノ電の乗車(長谷~江ノ島間)・新江ノ島水族館見学・江ノ島海岸での浜辺遊びをした後、夕闇迫る中、芦ノ湖湖畔の宿に到着しました。宿では、夕食はもちろんのこと、気持ちのよい温泉、夜のレク大会の会場準備等々、翌朝の出発までの間、最大限のおもてなしをしていただきました。

 2日目、11月1日(火)は、ベテランガイドさんの引率の元、旧東海道の散策、箱根の関所見学、芦ノ湖の遊覧船に乗りました。訪問先は、どこも混み合うことがなく、スムーズに旅を進めることができました。午後は、難攻不落の小田原城の見学し16時頃帰校。今年の修学旅行も、大成功だったと言える内容でした。

 帰路のバスの中で私は、この2日間で6年生の児童は、どれだけの人にお世話になっているのか考えてみました。バスガイドさんや運転手さんをはじめ、児童が目にした人だけを数えても、100人位にはなるのではないかと思います。(例えば、江ノ電の運転手さんや車掌さん・遊覧船の船長さんや桟橋で船のロープを固定していた人など・・)さらに、姿は見えないけれど、この2日間の6年生のために、努力や心づかいをしてくださっている方まで含めると、想像のつかない人数になるのではないでしょうか。(例えば、バスや船の整備を日頃からされている方やお土産の品物を工場で作っている方・お昼に食べた鶏肉やおでんの卵を生産されている方、江ノ島の海岸の砂浜の清掃をされている方などのこと)

 こうした多くの方の努力や心づかい=恩があったからこそ、屈巣小の6年生の修学旅行が成り立っていることに、私たちは改めて感謝しなければなりません。しかしながら、その方々に感謝の気持ちを伝える(恩返しをる)ことは、今となっては難しいことです。でも、恩送りをする(自分が受けた恩を他の違う人に送る)ことが、私たちにはできます。例えば、5年生以下の下級生・近所の人・家族・クラスの仲間などに向けて、相手のためになることや相手の気持ちを気づかうことです。ぜひ、6年生の児童には、修学旅行で受けた恩を思い出して、身近な恩送りを実践してほしいと思います。恩返しは、1往復で終わりですが、恩送りは、無限に広がっていきます。

 前日までの準備、そして出発と到着の際には、保護者の方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。その恩送りを私も、日々の仕事の中でできるように努めます。

 

NO.7(R4.9.30)

丹田を意識した生活

 ようやく秋らしくなってきました。何をするにも最適な季節。屈巣小では今、各クラスとも運動や歌唱に力を入れて取り組んでいます。6年生は、市内陸上大会や南部北地区音楽会。5年生は、市内音楽会。4年生と1年生は、体力つくり授業研究会での授業発表と、学校を代表しての取組が控えています。そして、全児童が臨む校内音楽会(11月18日)や校内持久走大会(12月1日)が、最後にあります。こうした目標(行事)に向けて、今は、全校児童がトレーニングを開始している状態です。その子ども達の様子を見ていると、「丹田」を意識させることが、よい成果につながるのではと、感じています。また、授業中のよい姿勢・健康的な姿勢の維持も、「丹田」は、ポイントになると、感じています。
 さて、「丹田」とは、何でしょうか。江戸時代の医師:貝原益軒は、自著『養生訓』で、臍(へそ)下、三寸(9㎝)のところを丹田と記しています。子どもなら臍(へそ)の下、4~5㎝下というところでしょう。(体の表皮ではなく、内部のことを指すようです。)『養生訓』では、丹田には、生命の根本が集合している。常に腰を正しくすえて真気を丹田に集め、呼吸を静かにし荒くせず、事をする時は、胸中に気を集めないで丹田に気を集めなければならない。こうすれば気は上らないし、胸は騒がないで、力が養われる。とにかく技術を行う者、とくに武士はこの法を知らなくてはならない。また、僧が坐禅するのも、みな真気を臍(へそ)の下に集中する方法である。これは主静(迷いや不安を取り払い、心を静かにする)の工夫であり、彼らの秘訣(ひけつ)であろう。と示しています。
 技術を行う者を子どもレベルで当てはめると、運動したり、歌ったり、演奏したり、人前で発表したり、雑巾がけをしたりなど、体を動かすことと言えます。さらには、物事を考えたり、人前で立つことや座って字を書いたり読んだりする動きも含まれていると言えます。振り返ると先週、音楽授業の特別講師としてお招きした先生も、臍(へそ)の下に力を入れて、臍をへこまして息をためる姿勢を子ども達に意識させて歌わせていました。丹田に気(吸った息)を集める(ためる)ことで、歌声の変化はもちろんのこと、落ち着いて集中して取り組む姿も多く見られました。しかし、子ども達にとっては、普段あまり行わない体の使い方のようで、短時間で疲れてしまい、姿勢が崩れる様子も見られました。
 自分の「丹田」は、どこだろう。そう思って、指を臍(へそ)下に当てていただいた方もいらしたでしょうか。(実は、上・中・下の3か所あるとのこと。今回話題にしている丹田は、下丹田です。)最近、私は1日数回、自分の丹田を意識して歩いたり、座ったり、立ったりするようにしています。その成果は、まだ、表れないのですが、根気よく続けてみます。3学期に、そのご報告ができればとも思っております。
 「丹田」を生活のどこかで意識する。腑(腹)に落ちる校長コラムとなれば幸いです。

 

NO.6(R4.8.30)

未来を創る子供たちを育てる

「平和への誓い」

あなたにとって、大切な人は誰ですか。  家族、友だち、先生。
私たちには、大切な人がたくさんいます。 大切な人と一緒に過ごす。笑い合う。
そんな当たり前の日常はとても幸せです。
昭和20年(1945年)8月6日 午前8時15分。
道に転がる死体。 死体で埋め尽くされた川。
「水をくれ。」「水をください。」という声。
大切な人を一瞬で亡くし、当たり前の日常や未来が突然奪われました。

あれから77年経ちました。
今この瞬間も、日常を奪われている人たちが世界にはいます。 戦争は、昔のことではないのです。
自分が優位に立ち、自分の考えを押し通すこと、それは、強さとは言えません。
本当の強さとは、違いを認め、相手を受け入れること、思いやりの心をもち、相手を理解しようとすることです。
本当の強さをもてば、戦争は起こらないはずです。

過去に起こったことを変えることはできません。
しかし、未来は創ることができます。
悲しみを受け止め、立ち上がった被爆者は、私たちのために、平和な広島を創ってくれました。

今度は私たちの番です。
被爆者の声を聞き、思いを想像すること。 その思いをたくさんの人に伝えること。
そして、自分も周りの人も大切にし、互いに助け合うこと。
世界中の人の目に、平和な景色が映し出される未来を創るため、私たちは、行動していくことを誓います。

令和4年(2022年)8月6日
 こども代表 広島市立幟町小学校  6年 バルバラ・アレックス
        広島市立中島小学校  6年 山﨑 鈴

 広島市平和記念式典で、子ども代表の「平和への誓い」が述べられるようになり、今年は28年目です。例年広島市内の小学生2名が代表となりスピーチをしていますが、その内容は、広島市内の多くの小学生の気持ちを踏まえて、代表の小学生が話し合って決めていることをこの夏初めて知りました。手順は、次のとおりです。
①「平和の大切さ」をテーマにした作文に応募した11012人の小学生の中から20名を選び、「こどもピースサミット(会議)」を開く。
②会議では、4人1組のグループに分かれ、「思いやりの心を持つことがお互いの理解につながる」など「平和への誓い」に盛り込みたい内容・言葉を出し合い、文案を作成。
※①の20名が、②の前に意見発表会を行い、スピーチする代表児童2名を選出しているとのことです。

 「未来は、子どもたちが創るもの。その子どもたちをいかに導き育てるのか、その責任が、私たち大人にはある。」ということを強く感じた今年の平和記念式典でした。子どもたちの力には無限の可能性があることをこの「平和の誓い」から気づかされます。その可能性は、屈巣小の子どもたちも同様と捉え、10年後、20年後の社会を力強く生きる力を学校・家庭・地域が一体となって育成できるよう、2学期も本校職員は、頑張ります。
保護者の皆様や地域の方々のご理解とご協力を引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 

NO.5(R4.7.20)

1学期の屈巣小を振り返る

本日、1学期の終業式を行い、1学期の締めくくりを子ども達と共にしました。おかげさまで、保護者の皆様のご理解・ご協力のもと、1学期を終えることができました。深く感謝申し上げます。オンラインでの終業式となりましたが、目の前に子ども達がいないとやはり話しにくいものです。気温が下がる2学期は、ぜひ、校庭で実施をしたいと思います。
さて、7月に児童にアンケートをとったところ、全校では、以下のような評価を児童からいただきました。【数値の意味は、4:よくあてはまる 3:あてはまる 2:あまりあてはまらない 1:あてはまらない です。】
①今、学校生活が楽しい。     4:77%  3:21%  2+1:2%
②先生は、話をよく聞いてくれる。 4:69%  3:30%  2+1:1%
③授業は楽しく、わかりやすい。  4:67%  3:31%  2+1:2%
 質問は、他にもありましたが私としては、この3つの結果をとても重要視しています。それは、①~③のことは、学校の基本的な役割を測る指標となると思っているからです。この結果から、学校のことを肯定的に捉えている児童が大変多いことがわかりました。しかしながら、現状に甘んじることなく、次回(12月)は、4の評価がさらに増えるように、そして何よりも、2や1の評価をつけてくれた児童には、積極的に声をかけ、その児童の気持ちになって一緒に考えていくことを職員全員で確認いたしました。
明日から子ども達が楽しみにしている夏休みです。交通事故・熱中症・新型コロナ感染症と子ども達に気を付けてほしいことがあります。お子様が健康で安全に過ごせるよう、保護者の皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

 

NO.4(R4.7.1)

本校の伝統・・「姿が、姿をつくる」

 一気に真夏を迎えたような気候になりました。学校のプールも水温が適温になるように、給水(プールに新たに水を入れること)をしながら、学習を進めております。
 6月14日には、鴻巣市教育委員会の教育長と3名の教育委員さんによる学校訪問がありました。授業等の見学をされたのち、教育委員さんとの懇談の中で、次のようなお話をいただくことができました。

 「私は、下校の時間帯に屈巣小学区を車で通ることが時々あります。その時、赤信号で横断歩道の手前で停まり、下校する児童と出会うことがあります。屈巣小の児童は、横断歩道を渡り終えると、必ず運転手の私にお辞儀をしてくれます。大変すがすがしい気持ちになります。児童がしっかり育っていると感じます。」
 このお話を受けて、私は、
 「それは、屈巣小のよい伝統になっています。学校(先生)からの指導よりも、過去の上級生(卒業生)が、登下校時によい手本をその時その時の下級生に示してくれているから、自然とまねをして、よい伝統となっているのだと思います。あそこまで定着しているのは、私も素晴らしいと思っています。」
と言葉を返しました。今振り返ると、上級生だけではなく、登校時に立ってくださっている
交通指導員さんや当番の保護者の方々も、停まってくださった運転手さんに、会釈をしていることも話すべきでした。
 このように、「(先輩や大人の)姿が、(児童の)姿をつくる伝統」が本校のよさの一つです。

 

No.3(R4.6.1) 

令和4年度運動会テーマ「194人! みんながかがやく 運動会」
  麦秋(ばくしゅう)の季節となりました。同時に、田植えの時季になり、屈巣地区の田んぼんからは、カエルの合唱が聞こえてくるようになりました。日没もだいぶ遅くなり、午後6時すぎまで明るく、時刻を勘違いするぐらいです。
  さて、今週土曜日は、本校の運動会です。今年度は、児童の応援団を組織したり、全校競技の玉入れを加えたり、紅白の得点を競ったりするようにしました。今年のテーマは、「194人みんながかがやく運動会」です。児童会役員の子たちを中心にテーマを考え、児童全員で掲示用の文字を作成しました。雨天のため練習時間が縮小されていますが、児童は、できるところまでの演技や競技を精一杯繰り広げてくれることと思います。そして、テーマにあるように、一人一人が主役となってかがやく笑顔いっぱいの運動会となることを期待しています。今週末の天気予報が猫の目のように、毎日変わっていますが、昨年度のように雨に悩まされることなくスムーズに進むことを願うばかりです。(今年は、てるてる坊主を用意してみます。)

 なお、運動会実施に際してのお願いのお手紙を先週配付しておりますが、ご一読いただきご理解ご協力を賜りますよう、お願いいたします。

 

No.2(R4.5.2) 「待って、見届ける」が、子どもの安心感へ

  木々の若芽が眼に心地よい色合いとなり、ツバメが飛来する季節になりました。屈巣周辺の景色の変化が、毎年変わりなく訪れる自然の偉大さを感じさせてくれます。
  さて、あっという間に4月が終わりました。1年生もだいぶ学校生活に慣れてきました。しかしながら、まだまだ要領を得ず、うまくいかないこともあるかと思います。そういう時は、私たち大人が数回深呼吸をして、おおらかな気持ちで「子どもを待つ」ことが大事になります。4月は、私も登校後の1年生の教室に入り、荷物の整理や名札つけなどの朝のルーティンが定着するように、担任の先生の補助をしてきました。日にちが経つにつれて自分でできるようになる姿をみると「待つこと」の大切さを実感します。
 真の自立を促すためには、うまくいかないことを経験させることも必要です。失敗してどうしたらよいか自ら考え、また試してみる。それが大いに許されるのが、子ども時代なのだと思います。できるようになるまでには、「時間がかかる」と心の中でつぶやき、私たちが「待って見届ける」ことで、子どもは安心するのだと思います。ついつい、大人(家族や先生)が手を出してしまっていないか・・・。今一度、振り返りたいと思います。

 

No.1(R4.4.8)

花いっぱい 夢いっぱい 笑顔いっぱい ~令和の新たな屈巣小学校の創造~

 吹く風も柔らかく校庭の桜の花が、子どもたちの新しい出発を祝っているかのようです。ふと、校庭に立ち足元に目をやると、芝生の鮮やかな緑の新芽がいつの間にか広がっています。

 令和4年度が、スタートしました。お子様のご入学・ご進級、誠におめでとうございます。新しい学校、学年学級で、どの子も期待に胸を膨らませていることでしょう。4月6日(水)の入学式の準備では、新6年生が進んで活動し、最上級生らしさを発揮していました。今度の活躍が期待できます。

 本日、新1 年生44名が入学し、全校児童数が194名となりました。また、右面にございますように、学校職員も半数が入れ替わりました。今年度もコロナ禍での教育活動となりそうですが、新たな屈巣小を創造する時期であるとも捉えています。本校職員が一丸となって、子どもたちと共に励んでまいります。

 今年度、本校がめざす学校教育目標 は、以下のとおりです。「令和の新しい屈巣小学校」をみなさんと共に創造し、さらによい学校にしてまいりたいと思っておりますので、保護者の皆様そして地域の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。

学校教育目標 「進んで学ぶ子・思いやりのある子・明るく元気な子」
めざす児童像

【知育】

・学習ルールを守る子・ねばり強く、自ら学ぶ子・仲間と共に、課題を解決する子(学び合い・協働)

【徳育】
・明るい挨拶と返事をする子・相手の立場や気持ちを大切にする子・助け合い、共に行動する子
・人の役に立つ喜びを感じる子

【体育】
・進んで体を鍛える子・安全に行動し、自他の命を大切にする子・健康な心と体をつくる子(食育、生活習慣の改善、ネットモラルの向上)

めざす学校像

花(徳)をさかせる学校 夢(知)をはぐくむ学校 笑顔(体)あふれる学校

学校経営方針 ◎学校経営キーワード 「ふたつのじりつ(自立・自律)と連帯」 
・発達段階に応じた児童のじりつ(自立・自律)と連帯 
・キャリアに応じた本校職員のじりつ(自立・自律)と連帯 
1 生きる力を育む「確かな学力」(知)・「豊かな心」(徳)・「健康・体力」(体)のバランスのとれた児童の育成
2 児童一人一人の可能性を最大限に引き出す「情熱」ある職員と「自立・自律と連帯」する職員の育成【持続可能な働き方へのシフトチェンジ】
3 学校・家庭・地域の三位一体の教育の推進
4 全教職員協働による「新たな屈巣小」の創造
・教育の不易と流行のバランス ・前例打破 ・来年度を見据えた職務遂行VV