2024年12月の記事一覧
なぜ、木々は紅葉するのか SDGsの実践の必要性
校庭のイチョウを初め、落葉樹の紅葉がとても美しく、心を落ち着かせてくれます。また、11月12日に植えたパンジーやビオラも、しっかり根付き少し株を増やしています。まもなく師走ですが、最高気温が15度以上の日が続き寒がりの私にとってはありがたいことです。しかしながら、農作物の収穫など第一次産業に大きな影響が出なければいいなとも思います。ところで、「なぜ、樹木は紅葉するのか。また、紅葉する木としない木があるのはどうしてないのか」と素朴な疑問を感じましたので、調べてみました。
なぜ落葉する木々と常緑のままの木々が,あるのでしょうか。植物は数億年の間に進化する過程で,冬の間は葉を無くしたほうがエネルギー(養分)を節約できるとした木々は,落葉するほうを選んだようです。葉を落とすと光合成による養分は作ることができませんが,葉が作る養分より消費する養分が多いので落葉するほうを選んだのでしょう。一方,常緑樹のほうは進化の過程で冬の間も葉を落とさず合成,光により養分を生産するほうが消費量を上まわり得策だとして,葉を残すことにしたようです。ただし,常緑の葉も1~3年の間に落葉して新葉と交代しています。さて,紅葉と黄葉の話ですが,普段は葉緑体の緑色(クロロフィル)が勝っていて,普段から葉に存在する赤色(アントシアニン)や黄色(カロテノイド)は隠れていて見えませんが,紅葉のこの時期に姿を現し増殖します。そのきっかけは,秋になり気温が低くなると葉緑体の働き(光合成)が低下することです。働きが低下すると養分ができなくなり葉は老化します。老化すると葉の柄の部分に,葉を切り離すための離層という細胞の層を作り,水や養分を遮断します。葉の柄が遮断されると葉には糖分がたまり,アントシアニンが増えて赤色を発し紅葉します。アントシアニンが多く増殖し紅葉する木々は,カエデ類,ウルシ類などです。一方,カロテノイドが増殖し黄葉する木々は,イチョウやポプラ,カツラなどですが,これらの木々では,遺伝子の関係で赤色を発するアントシアニンは合成されないようです。紅葉には紫色のような中間色の葉もありますが,紫色は葉緑体の緑色が残っているうちにアントシアニン(赤色)が合成され,色が混合したものと思われます。ガマズミやノウゼンカズラ,シソなどが紫色を呈します。
教育出版HP 教育研究所「No.388 「落葉と常緑,紅葉と黄葉」(2014年10月24日)」より引用
https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/kenkyu/case1/2885.html
少々、難しい話になってしまいましたが、樹木が生命維持のために、自ら体の機能を作り出しているということが、理解できました。そのおかげで、人類誕生以来、樹木が出す酸素を私たちは吸うことができているばかりでなく、人類をはじめ生き物が排出する二酸化炭素を光合成によって酸素に替えてくれていると思うと、樹木の果たす役割は、地球上の生き物ばかりか、地球全体に欠かせないものだといえます。SDGs教育の必要性が昨今クローズアップされています。17個ある持続可能な開発目標の根幹ともいえる「森林と人間の関係」を黄金色に輝く校庭のイチョウを見つめながら問い直した初冬です。